アメリカスポーツアートの巨匠が描く ゴルフアート展
「ペブルビーチ プロアマ7番ホール」 ジクレ、40×69cm
バーナード・フュークス(1932年~2009年)はアメリカ生まれのイラストレーター。スポーツの情景を描き、一躍その名を馳せました。1962年には、史上最年少で「Hall of Fame(栄誉の殿堂)」入りを果たしています。今展では、ゴルフアートを中心に野球などのスポーツアートのほか、ファインアートとしてのイタリアの情景などの原画、版画作品約40点をご紹介致します。
「ジャック・ニクラウス」 ジクレ、47.5×37cm
【作家プロフィール】 バーナード・フュークス
1932年アメリカ、イリノイ州生まれ。
バーナード・フュークスは、“バーニー”の愛称で親しまれる全米屈指の巨匠画家。1962年30歳の誕生日前にニューヨークのアーティスト協会によって「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に指名され、翌年、権威ある「ハミルトン・キング賞」を受賞。1975年には、ノーマン・ロックウェルも名を連ねる栄誉の殿堂「ホール・オブ・フェーム」のメンバーに認められ、アメリカのアートシーンで現在に至るまでトップの座に君臨し続けている。
セントルイスのワシントン・ユニバーシティ・オブ・ファインアーツに学んだバーニーは、卒業後デトロイトの自動車の広告で名声を博した。その後ニューヨークに移り、ニューヨーカー、スポーツ・イラストレイテッドなどの一流雑誌からイラストの依頼を受けるようになり一躍有名になった。以来彼はソサエティ・オブ・イラストレーターズによる5つの金賞と、5つの銀賞を含め100個以上の賞を受賞している。
中でも、人々の本質を見事に描きぬく彼のポートレートは名だたる有名人たちを魅了した。歴代アメリカ大統領、ケネディ、ジョンソン、フォード、カーター、レーガンをはじめ、モハメド・アリ、ペレといった一流スポーツ選手、マーティン・ルーサー・キング、エリザベス女王、パブロ・カルザス、フランク・シナトラなどが好んでポートレートを彼に委託した。
また、1962年にはじめてイタリアを訪れて以来、そのイメージに魅了されたバーニーは、イタリアの写真やスケッチをとり続け、近年は一年のうち数ヶ月をそこで過ごし、その風景や生活様式を描いている。得意の繊細でソフトな光の表現法を生かし、ノスタルジックで息を呑むように美しい情景を、現代イタリアの息遣いを巧みに取り込みつつ描き出すことに成功している。
彼の類い稀なデッサン力は、子供向け絵本への挿絵、ヘミングウェイ、ヘンリー・ジェームス、トーマス・マンといった巨匠たちの古典的名作への挿絵にも遺憾なく発揮されている。ストーリーの臨場感を余すところなく伝える彼の挿絵もまた多くの賞を受賞し、「圧倒的で抵抗しがたい魅力」と評されている。
2009年アメリカにて永眠。享年76歳。
ノーマン・ロックウェルの再来といわれ、アメリカの一流紙「ニューヨークタイムス」、「ワシントンポスト」、「ロスアンジェルスタイムス」等が訃報記事を大きく掲載し、バーニーの突然の死に哀悼を示した。
また、日本でも彼のたぐいまれな才能は、TVなどにも取り上げられており、彼の生涯とその作品を紹介した、テレビ東京「美の巨人たち」(2013年6月)、アメリカを描いた画家として本編45分間で紹介された、「日曜美術館」(2014年9月)、スポーツと絵画を融合させた画家として再度紹介された、テレビ東京「美の巨人たち」(2017年12月)などがある。
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会期/4月9日(水)~15日(火)※最終日は17時閉場
会場/大丸神戸店8階gallery TOART(ギャラリートアート)